家づくりの経緯をお聞かせください。
当初はログハウスに憧れていたということもあり、薪ストーブのある家がいいと思っていました。雑貨とナチュラルな雰囲気の家が好きで、住宅展示場を巡っていたのですが、量産メーカーの家は新築特有の化学的な臭いがして頭が痛くなってしまったんです。そういうこともあり、目に見えないところも自然素材だけを使った、安心して住める家が欲しいと思いました。
色々調べて、天然の素材、断熱性能、地震に強いことが気に入って、子どもに引き継いで住んでもらいたいから、経年で味わいが出てくるこういう家がいいな、と思いました。
プランニングの希望とこだわりをお聞かせください。
カントリー調のインテリアが好きで、薪ストーブに憧れていました。屋根は大きくしたいとお願いし、片流れの大屋根にしてもらいました。あとは吹き抜けと畳の間、書斎スペースも希望しました。それから、家事がストレス無くできるように、キッチンと洗面所の行き来がしやすく、回廊できるような動線ですね。
小物のディスプレイが好きなので飾り棚をつけて、キッチン横には趣味の手芸も楽しめる家事カウンターも造作してもらいました。
将来を考えて、車いすでも出入りできるよう外構にスロープもつくりました。
設計士からはどのような提案がありましたか?
外の緑が景観できる吹き抜けの上のピクチャーウインドウや、玄関ホールからオープンにリビングに続くので、視線を遮る役割を果たすルーバー扉の間仕切り。勾配を生かして天井を高くした寝室は寝心地が良く、熟睡できるようになりました。
それから、薪ストーブの暖気が家中にまわるように2階の壁に設置された小窓。
キッチンからパントリーを通って、浴室、脱衣室へと抜ける動線はお気に入りです。脱衣室と洗面所が一緒だと、誰かが浴室を使っていると洗面所が使えなくなる、ということで提案いただいた、脱衣室と洗面室を分けるプランもよかったですね。
全体的になるべくオープンな間取りになっていて、扉も引き戸にして、開け放てばストーブの暖気が家中にまわるように設計されていると感じます。
実際に住んでみて、住み心地はいかがですか?
冬はマイナス2~3度になることも多い寒冷地ですが、朝起きて寒いと思うことがないですね。暖房は薪ストーブだけで十分2階まで暖まるし、ストーブの上でシチューを煮たりするのも楽しいですね。ちなみに、バーモントキャスティングスの薪ストーブなので、煙が少ないのが特徴です。
家の中の空気はすがすがしく、澄んでいる感じがします。兄が訪れたときも、「素足で歩きたくなる家だね。スリッパを履くのがもったいない。」と言っていました。なんだかこの家って、ずっと前から住んでいるような落ち着きを感じるんですよね。出張で数日留守にして帰宅すると木の香りに癒やされ、疲れも取れる気がします。
窓から森の緑が見えて気持ちがいいし、上の窓からは夜の月明かりが入るので、ダイニングで空を眺めて過ごす時間が好きです。
ストーブのまわりに家族みんなが集まる、温もりにあふれた2つとないオリジナリティのある住まいだと思います。