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家のこと(新築)
2021.12.05. SUN
地震に強い住まいを実現する「ベタ基礎」
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そもそも基礎とは?
基礎とは、家づくりにおける重要な部分。建物の重量を支え、安定させるために設ける建物の最下部の構造のことを指します。
◎建物を支えるのに十分な構造であるか
◎一部の地盤が下がっても壊れない構造であるか
この2点が、基礎の大切な役割というわけです。
現在日本では、主に「ベタ基礎」と「布基礎」の2つの工法があります。
ベタ基礎とは?
建物の底板一面に鉄筋コンクリートを流し込んでつくる基礎のことを「ベタ基礎」と言います。
イメージとしては、1枚の大きなコンクリートの板に建物がのっているような状態です。
大きな「面」で支えるため、地震や台風などの衝撃を効果的に受け流せるという特徴があります。
布基礎とは?
布基礎とは、建物の下に逆T字状のコンクリートを打ち込んで支える工法のことを言います。
ベタ基礎が「面」で支えるのに対し、布基礎は「点」で支え、地面の奥深くに入って建物を支えるイメージです。
ベタ基礎の特徴
先述したように、基礎と言うのは非常に重要な部分です。
基礎がしっかりしていないと、後々地震の揺れなどによって、建物が傾いてしまうこともあります。
ベタ基礎における特徴はどのようなものがあるでしょうか。
耐震性が高まる
ベタ基礎は、柱の位置に関係なく、建物下全体に基礎があります。
基礎の面積が広いため、建物の荷重を分散させることができ、点で支える布基礎より、安定した基礎になります。
地震や台風などからも家を守ってくれるでしょう。
ベタ基礎工法は、阪神淡路大震災以降に普及し始め、現在では多くの住宅で採用されるようになりました。
地面からの湿気やシロアリの侵入を防ぐ
ベタ基礎は、地面を鉄筋コンクリートで覆うため、地面からの湿気が建物まで上がってくる心配がありません。
建物に発生する結露やカビ・ダニを防ぐことができるでしょう。
加えて、地面からのシロアリの侵入も防いでくれます。
シロアリが侵入すると、木造住宅の耐久性が損なわれ、寿命も早まってしまいますし、メンテナンス費用もかかってしまうため、シロアリ対策ができていることは安心ですね。
不同沈下が起こりにくい
不同沈下とは、建物が不揃いに沈下することを言います。
水平状態を保って沈下するのではなく、家がどちらか一方に傾いた状態になってしまうことです。
不同沈下が起きると、耐震性が低くなるのはもちろん、生活面でも私たちの健康に支障をきたすことがあります。
布基礎の場合、点で支えていることから、このような不同沈下が起きる危険があります。
一方、ベタ基礎の場合は、底板一面に鉄筋コンクリートが敷かれているため、不同沈下が起こりにくいとされています。
実際、阪神淡路大震災後に、基礎が割れてしまう「基礎の座屈」が起き、建物も倒壊してしまった家が多かったそうです。
基礎の剛性を高める「コーナーハンチ」
「コーナーハンチ」とは、基礎の隅のコーナー部分を斜めに切っているものです。
建物には、台風や地震によって「ねじれ」の力がかかりますが、この「ねじれ」を受け止めるのは、主に基礎の部分です。
特に強い負荷がかかるのは「基礎の角」の部分ですから、コーナーハンチをつくって基礎の剛性を高めると、耐震性がアップするということ。
安心安全の家づくりには、やはり様々な工夫が必要ですね。
液状化から守る「SG(スーパージオ)工法」
地震の揺れだけでなく心配なのは「液状化現象」ですよね。東日本大震災のときに、各地で液状化現象が起こり、多くの注目を集めました。
この液状化現象から建物を守ってくれるのが「SG(スーパージオ)工法」です。
スーパージオ工法は、地盤改良の技術の1つ。不安定なところにある重い地盤を軽い人工地盤へと置き換え、地盤に対する負荷を軽減するという方法です。これにより、建物による強い揺れを最小限にとどめることができるのです。
人工地盤に保水能力を持たせているため、液状化現象にも大きな効果をもたらしてくれます。
液状化による地盤沈下で、建物が倒壊してしまう恐れがないのも、この工法の魅力なんですよ。
家を支える基礎について知っておこう
家を支える“要”となっている基礎部分。
目に見えないからこそ、しっかり考えたいものですよね。
私たち無添加建築設計では、今回ご紹介したベタ基礎工法を推奨していますが、これに加えて、しっかりとした構造計算と地盤改良工法を行い、より地震に強い家づくりを目指しています。
いつどこで起きるのか分からない自然災害。
せっかく家を建てるのであれば、家族の命と財産を守るために、より安心できる基礎工法を選択してくださいね。
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