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家のこと(新築)
2021.12.04. SAT
「パッシブデザイン」の家づくり
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パッシブデザインとは?
パッシブデザインとは、風や太陽光といった自然のエネルギーを活用して、極力機械に頼らずに快適な生活がおくれるよう工夫した設計手法のことです。
パッシブとは、英語でPassive=受動的という意味。つまり、自然のエネルギーを受け、それを上手く利用するのがパッシブデザインの家づくりということです。
たとえば、自然の風を取り入れて、夏を涼しく快適に暮らせるようにしたり、太陽光を取り入れて室内を明るくし、日中は電気を使わなくても暮らせるようにしたり…。余計な電力を使わなくてすむので、光熱費の節約にもなるんですよ。
そんな「パッシブデザイン」の家づくりには、押さえておきたい5つのポイントがあります。
①自然風利用
②日射遮蔽
③断熱
④昼光利用
⑤日射熱利用
では具体的にどんな工夫がされているのか、詳しくご紹介しましょう。
パッシブデザインの家づくり① 自然風利用
心地のよい外の風が窓から室内に流れてくると、エアコンを使わなくても夏でも涼しく快適に感じるものですよね。
パッシブデザインの家づくりでは、風の通り道を上手く作ることで、室内にいても心地よい風を感じることができます。また、家中を風が吹き抜けていくので、“換気”という役割もしっかり果たしてくれるのです。
これにより、エアコンや除湿器に頼らない生活をおくることができます。自然の風は季節の移り変わりも感じることができますから、心のリフレッシュにもつながりそうですね。
風の通り道をつくる工夫
風通しのよい家をつくるポイントは以下の3つ。
・窓に高低差をつける
・窓を対角線上につくる
・北側と南側に窓をつくる
周辺の住環境にもよりますが、風の入口・出口をつくってあげ、空気の流れをつくることで、風通しのよい快適な家づくりを実現させることができるでしょう。
このほかにも「ウィンドキャッチャー」と呼ばれる風を取り込む仕組みを取り入れるのもおすすめですよ。
パッシブデザインの家づくり② 日射遮蔽
夏の強い日射しが窓から室内に入り込むと、それだけで気温が上昇し、暑く感じてしまうもの。
しかし、冬は日射しを取り入れることでポカポカ気持ちよく暮らせるというメリットもありますよね。そのため一概に「日射遮蔽」が良いのかどうか気になる方も多いと思います。
パッシブデザインの家づくりでは、窓周りを工夫することで、太陽光を上手く活用し、一年中快適に暮らすことができるんです。
その1つが庇(ひさし)。
大きな庇(ひさし)を南側の窓に設けることで、夏の強い日射しを遮る効果があります。
一方、冬は、日射しの角度が浅いため、庇があっても充分室内に太陽光を取り入れることができるんです。
夏は日射しを遮り、冬は日射しを取り入れて快適に暮らす。
これがパッシブデザインの家づくりという訳ですね。
その他日射制御の工夫
ほかにも以下の様な日射しを遮る工夫があります。
・植樹によって直射日光を遮る
・西日は垂直方向の庇を設けて遮る
・シェードやすだれなどを活用する
など。
パッシブデザインの家づくり③ 断熱
断熱性能を高くすることで、外気の温度に左右されにくい家づくりをするのもパッシブデザインの1つ。
高断熱の家は、少ない熱で室内を暖めることができるだけでなく、お部屋によって温度差が生じにくいのがメリット。特に家庭内でのヒートショック現象は深刻な問題となっているので、これからの家づくりには断熱性能を高くすることが欠かせなくなるでしょう。
一年中暖かい室内で過ごすことは、体の冷えや様々なアレルギー疾患の症状改善にもつながると言われているんですよ。
パッシブデザインの家づくり④ 昼光利用
パッシブデザインの家づくりの特徴でもある「吹き抜け」。吹き抜けは、風を通しやすくするだけでなく、昼光を取り入れるのに効果的なんです。
天気の良い日は、お日様の力で電気を点けなくても明るい室内に。自然の光は、気持ちも明るくしてくれるので、省エネだけでなく心の健康を保つという意味でもおすすめです。
パッシブデザインの家づくり⑤ 日射熱利用
夏の日射しは、室内の気温を上昇させてしまうので遮ることが大切ですが、冬は逆に日射しを室内に取り入れてポカポカと快適にすることが大切。
パッシブデザインの家づくりでは、日中に受けた日遮熱を開口部から取り込み、蓄えた熱を夜間に暖房代わりとして活用することができます。
ただし、立地条件にもやや左右されるため、土地選びの際は、冬でも日射しが入りやすい場所を選ぶといいと思います。
パッシブデザインの家で一年中快適な暮らしを実現しよう
パッシブデザインの家というのは今回ご紹介したように、自然の恵みを最大限に活用した住宅のこと。省エネ効果が高いため、地球環境にやさしく、光熱費の節約にもなります。
また、一年中快適な温度・湿度で暮らすことができると、家族みんなの健康維持にもつながっていくでしょう。
私たち無添加建築設計でも、このようなパッシブデザインの家づくりをおすすめしています。
これからは、オフィス=自宅となる時代。
家で過ごす時間が増えたからこそ、より光熱費のコスト削減が求められています。太陽光を味方につけ、家計にも地球環境にもやさしいパッシブデザインの家づくりをぜひ検討してみてください。
COLUMN
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