認定低炭素住宅とは?

CO2の排出を抑えた「認定低炭素住宅」

近年、環境に配慮したエコ住宅・省エネ住宅などに注目が集まっていますが、「認定低炭素住宅」というのをご存知でしょうか?

認定低炭素住宅とは、二酸化炭素(CO2)の排出を抑えた住宅のこと。二酸化炭素の排出量が少ないということは、それだけ無駄なく効率的にエネルギーを使っているということ。=「省エネ住宅」というわけですね。

この低炭素住宅の認定を受けるには、様々な基準をクリアしなければなりません。

一体どのような基準を満たせば、認定を受けることができるのでしょうか?

認定低炭素住宅の条件

CO2の排出を抑えた「認定低炭素住宅」

低炭素住宅の認定を受けるには、以下の項目を満たしていなければなりません。

この認定基準に関しては、2022年10月に改正がありました。

大きく変わったのが、一次エネルギー基準および外皮基準が、ZEH水準に引き上げられたことと、太陽光発電などの「再生可能エネルギー利用設備」の設置が要件化されています。

これらを踏まえたうえでご紹介します。

誘導基準および低炭素建築物の認定基準

※図:国土交通省HP-「低炭素建築物の認定基準の見直し(エコまち法)について」より

※図:国土交通省HP-「低炭素建築物の認定基準の見直し(エコまち法)について」より

これまでは省エネ法で定められている基準値と比べ、

・一次エネルギー消費量がマイナス10%

・外皮性能が省エネ法と同等以上の断熱性、日射熱性能

を有することが低炭素認定の基準値でしたが、2022年10月より改正され、上記の表のとおり、いわゆるZEH水準と同レベルの基準値に引き上げられました。

 

さいたま市の場合、地域6に該当しますから、UA値0.6以下で、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量を削減しなければなりません。

 

再生可能エネルギー利用設備の設置

今回の改正で最も大きく変わったのは、再生可能エネルギー利用設備の設置の要件化です。

 

再生可能エネルギー利用設備というのは、主に住宅の場合「太陽光発電システム」のことを指します。

戸建て住宅の場合は、

省エネ量+創エネ量=基準一次エネルギーの50%以上

であることが求められます。

 

要するに、太陽光発電システムを利用し、電力の自給自足をすることで脱炭素化を図るというのが目的でしょう。

その他の要件(選択的項目)

新たに改正された基準では、下記9項目のうち1つ以上満たしていれば認定が受けられます。

(⑨の項目が今回新たに加わりました。)

 

①節水機器が設置されているか(節水機能付きの便器や水洗い、食洗器の設置など)

②雨水、井戸水又は雑排水の利用のための設備を設置しているか

③HEMS(ホームエネルギー・マネジメント・システム)、またはBEMS(ビルエネルギー・マネジメント・システム)を設置しているか

④太陽光等の再生可能エネルギーを利用した発電設備や蓄電池を設置しているか

⑤一定のヒートアイランド対策を行っているか

⑥住宅の劣化を軽減する措置がされているか

⑦木造住宅もしくは木造建築物であるか

⑧構造耐力上の主な部分において、高炉セメントまたはフライアッシュセメントを使用しているか

⑨V2H充放電設備の設置(電気自動車に充電できる設備を含む)

 

認定低炭素住宅について詳しくはこちら

低炭素住宅の認定を受けるメリット

CO2の排出を抑えた「認定低炭素住宅」

新たに認定基準が引き上げられたため、低炭素住宅の認定を受けるのが難しくなったのでは?と不安になる方もいるかもしれませんね。

太陽光発電システムの導入など費用もかかりますから、低炭素住宅の認定を受けるメリットについて考えてしまうことも。

低炭素住宅の認定を受けると、どのようなメリットがあるのかも見ていきたいと思います。

光熱費を抑えられる

認定を受ける際の選択項目の1つとされている「太陽光発電システム」の設置。太陽光を利用して、電気を自家発電することができれば、日々の電気代のコストを大幅に抑えることができます。

また、蓄電池を併用することで、急な停電にも対応。万が一の際も、ある程度不自由なく暮らすことができます。

断熱性の高い住宅で快適に過ごせる

高断熱な家に住むことができれば、1年中快適に過ごすことができます。

特に最近では、部屋と部屋、室内外の温度差による「ヒートショック」が原因で亡くなる事故が増えていると言われています。家族の健康維持のためにも断熱性能が高い家というのは、非常に重要なことなんです。

断熱性能が高い家であれば、冷暖房に頼らない暮らしも実現できますよね。これもまた低炭素住宅の魅力と言えるでしょう。

環境に配慮した住宅に住める

地球温暖化、地球環境破壊など様々なことが問題視されている今。次世代を担う子どもたちのためにも、これ以上環境に負荷をかけない暮らしが求められていますよね。

低炭素住宅の認定を受けている家は、当然、環境に配慮した工夫が多数されています。

せっかく家を建てるのであれば、親から子どもへ。子どもから孫へと引き継いでいける…そんな家を目指していきたいものです。

長く住み続けることができる住宅というのも、低炭素住宅ならではの良さと言えるでしょう。

住宅ローンの金利優遇が受けられる

低炭素住宅の認定を受けていると、住宅ローン「フラット35」の金利優遇措置が受けられます。

また、住宅ローンを組まなかった場合でも、所得税の減税を受けることができるので、コスト面でも非常にお得です。

低炭素住宅の認定を受ける際の注意点

CO2の排出を抑えた「認定低炭素住宅」

低炭素住宅の認定を受ける際は、下記の事柄に注意しましょう。

低炭素化のための機器設置に費用がかかる

低炭素住宅として認定を受けるための様々な機器や設備を設置する必要があるため、標準仕様の住宅よりも費用がかかる場合があります。

しかし、裏を返せば、それだけ住宅の性能も上がるということ。

メンテナンスをしっかり続けることで、長く住み続けることができれば、決して無駄な買い物とは言えないでしょう。

低炭素認定の申請料がかかる

低炭素住宅の認定には、およそ5万円~10万円ほど申請料がかかります。

また、場合によっては設計や確認に時間がかかることもあります。

低炭素住宅を建てたいという人は、建築スケジュールに余裕を持った計画を立てましょう。

低炭素認定対象外の地域もある

建築を希望する土地によっては、法律によって低炭素住宅の認定を受けられない地域もあります。

土地から探す場合は、事前に確認しておくと良いかもしれません。

低炭素住宅の認定を受けて地球にやさしい住まいを

CO2の排出を抑えた「認定低炭素住宅」

低炭素住宅の認定を受けると、コスト面でも暮らしの面でも様々なメリットがあります。

ただし、いくら低炭素住宅の認定基準をクリアしていたとしても、申請しなければ認定を受けることができませんから、忘れずに行うようにしましょう。

 

私たち無添加建築設計の家づくりでは、可能な限り建築する全棟において低炭素住宅の認定を受け、二酸化炭素(CO2)の排出を極力減らす家づくりを行っています。これからの時代を生き抜く子どもたちのためにも、地球環境に配慮した家づくりをすることが私たちの使命だと考えています。

皆さんもぜひ、地球の未来のこと。子どもたちの未来のことを考えてみてくださいね。