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2025.1.24. FRI
プロ直伝「完全分離型」二世帯住宅を成功させる5つのコツ!打ち合わせ~間取りまで注意すべきポイントを徹底公開
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完全分離型二世帯住宅とは?
完全分離型二世帯住宅とは、親世帯・子世帯の住居がしっかり分けられている住宅タイプのこと。二世帯住宅でありながらも、親子世帯の生活スペースが明確に分かれていることから、それぞれのプライバシーが守られ、親世帯・子世帯ともに程よい距離感を保てると人気です。
しかし、そうはいっても同じ敷地内に住宅を建てるわけですから、トラブルゼロで快適…とはいかないもの。実際、二世帯住宅のご相談にいらっしゃったお客様のなかでも、親世帯・子世帯双方の言い分が食い違い、話し合いがなかなか進まないというケースもありました。
とはいえ、一緒に住めばその分のメリットも大きいもの!
そこで今回は、これまでいくつもの二世帯住宅の建築に携わった専門家の意見を参考に、後悔なく完全分離型二世帯住宅を建てるにはどうしたらいいのか?成功のコツについてご紹介します。
完全分離型二世帯住宅でよくある悩み
共有スペースを設ける「同居型」や「一部共有型」の二世帯住宅とは異なり、それぞれ独立した居住スペースを設ける「完全分離型二世帯住宅」。
一見、トラブルがなさそうに思えるのですが、実際のところどうなのでしょうか?
まずは、完全分離型二世帯住宅でよくある悩みやトラブルを見ていきましょう。
生活音によるトラブル
最も多いのが、この生活音によるトラブル。
子世帯と比べ、親世帯は朝も夜も早いため、夜間の生活音が気になって眠れないなど、建ててからトラブルに発展することがあります。
完全分離型二世帯住宅と言っても上下階で分かれているだけですから、静かな夜は音が響きやすく、下の階に住む親世帯が不快に感じることも。後悔しない完全分離型二世帯住宅を目指すなら、まずは生活音のトラブルについて対策を講じましょう。
義両親との対人関係によるトラブル
家族になったと言っても、実の両親よりは義両親のほうが気を遣ってしまうでしょう。
生活スペースがそれぞれ独立しているとは言っても、同じ敷地内に住んでいることには変わりませんから、互いの視線や普段からのコミュニケーションについて気になってしまうこともあるかと。
気になりすぎて思うように暮らせないなど、後悔する方もいるかもしれません。
家づくりの打ち合わせが進まない
親世帯・子世帯で考え方や価値観が異なるせいで、なかなか家づくりの打ち合わせが進まないケースも。
打ち合わせの段階から不安を抱いてしまうことは、意外とよくあることです。
お互いの間取りに口出しをしたり、金銭面で揉めたりすることも。
この不安を放っておくと、実際建てた後で不満が爆発し、二世帯住宅を建てたことへの後悔が強まってしまう方もいます。
プロ直伝!完全分離型二世帯を成功させる5つのコツ
前述したように、完全分離型二世帯住宅でもトラブルや悩みは付きもの。しかもそれは打ち合わせの段階から徐々に始まっていることが多いため、「二世帯住宅を建てよう」と決めたときから注意が必要です。
ではどうしたら、後悔しない二世帯住宅を建てることができるでしょうか。
ここでは完全分離型二世帯住宅を成功させるための5つのコツをご紹介します。
コツ①二世帯住宅の打ち合わせは別々に
完全分離型二世帯住宅を建てる際に、間取りや使用する設備・建材について打ち合わせを行います。
この打ち合わせでよくあるのが、双方の間取りに口を出してしまう…というトラブル。
「○○したほうがいいんじゃない?」と、親世帯が子世帯へ意見したり、逆に子世帯が親世帯へ意見をしたりすることで、お互いトラブルになってしまうことも。
良かれと思って言っていることであっても、考え方や価値観の違いによってズレが生じてしまい、不快感を抱くケースも多くあります。
打ち合わせの段階から揉めてしまうと、その後の生活までも不安になります。
それだけではありません。
なかなか結論が出ないことで、打ち合わせが進まず、工期が遅れてしまうこともあります。
そうならないためにおすすめなのが、親世帯・子世帯とで打ち合わせを別々に行うことです。
打ち合わせを、あえて別の時間帯で行うことで、遠慮せず本音で意見を言うことができます。
これにより打ち合わせがスムーズに進むだけでなく、「やはり○○すれば良かった」などのような後悔をせずに家づくりができるでしょう。
もっと言えば、夫婦別々に家づくりについての要望をヒアリングしておくと、より満足度の高い二世帯住宅を建てることができます。
家族だからこそ言いづらいこともあるので、そこはプロにお任せください!
コツ②二世帯住宅の間取りを工夫する
住み始めてからトラブルが多いのが、生活音について。
特にトイレやお風呂、キッチンなどから発する水まわりの音が気になることが多いです。
あと、足音や玄関の「ガチャ」っという音が気になることも。
日中は気にならない生活音も、シーンと静まり返った夜間は響きやすいので要注意です。
そんな生活音のトラブルを回避するには「間取りを工夫する」ことが1番です。
たとえば…
・音が気になる水まわりは、上下階で同じ配置にする
・寝室の上に水まわりを配置しない
・人の出入りがある玄関や階段も寝室から離した間取りにする
・ウォークインクローゼットの上に水まわりやリビングを配置する
などの工夫が必要です。
水まわりについては、配管ルートをどれだけ寝室から離すことができるかで、大きく変わってきますので、完全分離型二世帯住宅を建てる際は、しっかりと間取りについても話し合っていきましょう。
コツ③完全分離型二世帯住宅でも防音・遮音性を高める
配管の問題や間取りの工夫だけでなく、防音・遮音性能を高めるというのも生活音トラブル回避には有効な方法です。
2階の床または1階の天井部分に防音材を入れたり、間仕切り壁に防音・遮音材を入れたりすると、より外部の音をシャットアウトできるのでおすすめです。
ただし、防音・遮音性能を高めるということは、それだけ建築費用もアップするということ。
予算のことも視野に入れ、必要な箇所にだけ施工するというのが良いでしょう。
コツ④親世帯・子世帯で生活リズムを共有する
生活音については、どうしても親世帯・子世帯で生活リズムが異なるため、難しい問題です。
頭ではわかっていても実際に住み始めると気になってしまうことが多いので、可能な限り、家を建てる前にお互いの生活リズムを共有し合うようにしましょう。
特にこれまで別々に暮らしていた親世帯・子世帯の場合は、互いの生活リズムを知るきっかけになります。
プランニングの段階で生活リズムについて共有できていれば、二世帯住宅を建てる際に音問題に対する工夫をすることができます。
また、より具体的に生活リズムを共有し合うことで、二世帯住宅に住み始めてからの生活イメージが湧いてくるでしょう。
これに伴い、細かな生活ルールについても話し合うことができるかもしれません。
コツ⑤親世帯・子世帯で郵便受けは別にする
意外と忘れがちな家の外の部分。
完全分離型二世帯住宅であれば、玄関もそれぞれ親世帯・子世帯でつくりますから、「郵便受け」や「宅配ボックス」も別がおすすめ。
郵便や宅配便というのはプライベートな内容も多いため、極力、共有しないほうが余計なトラブルを回避できるからです。
同様に、水道や電気などのメーターも別々にし、支払いも各世帯で行う方が良いでしょう。
二世帯住宅の多くは、光熱費の支払い分担でトラブルになることが多いからです。
特に最近は電気代が高騰していますから、たとえ基本料金が倍になっても別々のほうが気兼ねなく使えます。
完全分離型二世帯住宅の家づくりで困ったときは?
完全分離型二世帯住宅の家づくりをするにあたり、困ったな…と思ったときは、なるべく早く担当するスタッフに相談してください。
全体の打ち合わせでは、他の家族に遠慮して言えなかったことも、しっかり伝えておきましょう。
専門家としての視点から上手く双方の意見をまとめ、アドバイスをすることが可能です。
プランニングの段階で二世帯住宅に対する不安を解消していくことが成功への道です。
完全分離型二世帯住宅を快適な住まいにするには?
親世帯・子世帯間での話し合いを徹底し、お互いストレスフリーな家づくりをすることが最も大切ですが、これに加えてより良い住まいづくりをするために、以下のようなポイントもおさえておきましょう。
断熱性能気密性能を高めた家を建てる
二世帯住宅を建てるなら、忘れてはいけないのが断熱性能や気密性能の高さ。
冷えが原因で様々な体調不良を起こさないためにも、親世帯・子世帯ともに高断熱高気密な住宅を建てることをおすすめします。
高断熱高気密住宅は、無駄な隙間をなくし冷暖房効率を高めてくれるので、快適さだけでなく月々の冷暖房費節約にも役立ちます。
高齢者がヒートショックで死亡する事故も増えていますから、寒い家よりも暖かい家で家族みんなが健康で長生きできる暮らしを目指しましょう。
ライフサイクルコストを抑えた家を建てる
完全分離型二世帯を建てる際は、将来のことを考えてライフサイクルコストを抑えた家を建てましょう。
ライフサイクルコストとは、冷暖房費や住宅のメンテナンス費、取り壊し費用などの合計額のこと。
年々高騰する物価や電気代を考えたら、効率よく冷暖房を使用でき、さらにメンテナンス費が極力かからないような家づくりをしましょう。
長期的に見れば、これらの費用負担は必ず親から子、子から孫へと引き継がれ、どんどん負担が大きくなっていきます。
負の遺産を残さないような家づくりを目指しましょう。
お互いのプライバシーを守って完全分離型二世帯住宅をより快適に!
家を建てるということは、一生に一度の大きな買い物です。
不平や不満を抱えていては、その後の生活が楽しくありません。
完全分離型二世帯住宅であっても、様々なトラブルは生じてしまうもの。
しかし、今回ご紹介したように、事前にしっかり話し合いを重ね、それぞれの不安を1つずつ解消していくことで大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
親しき中にも礼儀あり。程よい距離感でうまく交流できる、快適な二世帯住宅を目指しましょう。
私たち無添加建築設計では、豊富な経験から、それぞれのご家庭に合った家づくりのアドバイスをさせていただいています。
また、家族みんなが快適で長生きできるような高気密高断熱住宅、体にやさしい自然素材住宅を推奨しています。
二世帯住宅というと、マイナスなイメージを持つ人も多いですが、メリットもたくさんあるものです。
親世帯・子世帯で納得のいく家づくりしたいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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