家のこと(新築)
2024.10.07. MON
平屋は暑いってホント?平屋でも涼しく快適に過ごす5つのポイント
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平屋って夏は暑いの?
近年、若い世代にも人気が高まっている「平屋」。
平屋は、段差がないので小さな子どもや高齢者の方にとって、暮らしやすい環境であることは間違いありません。
見た目もとてもオシャレで贅沢なことから、近年では子育て世代から親世代まで幅広い年代の人たちが注目しています。
そんな平屋ですが、「夏は室内が暑い」「熱気がこもってしまう…」という話を聞いたことはありませんか?
確かに平屋だと、断熱性・遮熱性が低かったりした場合に「暑い」と感じてしまうようです。
しかしそれは、2階建て住宅でも同じこと。
しっかりと断熱性を高め、暑さ対策をすれば平屋でも暑いと感じずに快適に過ごせるはずです。
そこで今回は、なぜ平屋が暑いと感じるのか、その理由と暑さ対策についてご紹介します。
これから平屋を建てようとご検討中の方は、家づくりの段階から暑さ対策を徹底しましょう。
平屋が暑いと感じる原因は?
ではまず、なぜ平屋が暑いと感じるのか、その理由から見ていきたいと思います。
1つ1つ対処すれば、平屋の暑さを解消することができます。
平屋が暑い原因①太陽光の熱が伝わりやすいから
2階建てや3階建ての家の場合、上階が太陽光の熱を遮ってくれるので1階部分に熱が伝わりにくいのですが、平屋の場合は2階や3階がないので太陽光の熱が直接居住スペースに伝わりやすくなってしまいます。
しかも最近は、強い日差しを受けた地面からの照り返しによる“熱”もあります。
いわば、平屋というのは太陽熱を上からも下からも受け、サンドイッチ状態になっているのです。
なので、何の対策も講じなければ、平屋が暑いと感じてしまうのは当然のことかもしれません。
平屋が暑い原因②風通しが悪いから
太陽光の熱が直接伝わりやすい上に、平屋の場合は間取や立地によっては、風通しが悪くなってしまうこともあります。
平屋の周りの建物が2~3階建ての住宅で囲まれている場合、壁があるようなものなので、風の通り道がなく熱がこもってしまいます。
さらに、風通しが悪いことで湿気がたまり、カビやダニが繁殖しやすい環境になります。
平屋を建てる際は、周辺環境との相性も確認が必要かもしれません。
ではどうしたら、平屋の暑さ対策をすることができるのでしょうか?
次節で詳しくご紹介します。
平屋の暑さ対策①断熱性能を上げる
平屋の暑さ対策として最も有効なのが「断熱性能」を上げること。
壁や床だけでなく、屋根材にもこだわって断熱性能を高めれば、太陽光の熱が室内に伝わりにくくなります。
これは夏の暑さ対策になるだけでなく、冬の寒さ対策にもなります。
断熱性能が上がれば暖房効率もアップ。光熱費の節約にもなり、家計の負担も軽くなります。
平屋の断熱性能を高めるには無垢材がおすすめ
無垢材は、断熱性に優れているので、外気温の影響を受けやすい平屋の家づくりに特におすすめ。
夏も冬も、外からの熱気や冷気を室内に伝えず、一定の温度に保ってくれます。
さらに調湿効果も抜群。ジメジメとした湿度の高い夏場は、湿気を吸ってくれるのでサラっと快適。裸足で歩いてもペタペタしません。
一方、冬場は水分を放出してくれるので乾燥しにくくなります。
除湿器や加湿器で湿度調節をせずとも、無垢材が自然と調湿してくれます。
平屋は断熱効果の高い屋根材を使おう
平屋の場合、屋根材も断熱性の高いものを選びましょう。
断熱効果の高い順に、
粘土瓦>セメント瓦>スレート>ガルバリウム鋼板
…となります。
しかし、屋根材選びの際は、性能だけでなく外観のデザインも気になるところです。
外観のデザインによっては断熱効果の高い屋根材を選ぶことができないこともあるでしょう。
そんなときは、断熱・遮熱シートを取り入れるなど工夫をして、断熱性能を上げると良いと思います。
平屋の暑さ対策②軒や庇(ひさし)を取り入れる
古くから日本の家づくりに取り入れられてきた軒や庇(ひさし)。
最近では、外観デザインの関係からか、あえて軒や庇をつくらないお家も増えています。
しかし、実は軒や庇には、夏の太陽光を遮る重要な役割があるので、平屋の暑さ対策には非常に有効です。
太陽熱は冬は取り入れ夏は遮る工夫を
軒や庇を活用する場合は、日射取得と日射遮蔽のバランスが大切です。
夏の厳しい日差しを遮りつつ、冬の日射を確保するには、庇を深くして軒を低くするなど工夫が必要です。
周囲の環境から日差しが入り込む角度などを考慮し、庇や軒・屋根の形や寸法を検討していくといいでしょう。
軒や庇は、家族で外を眺めながら夏は夕涼みをしたり、秋はお月見をしたりと季節の移り変わりを楽しむことができ、風情のある暮らしを楽しむことができます。
シェードやすだれなどの活用で平屋の暑さ対策を
庇や軒を工夫するだけでなく、シェードやすだれなどを設けて直射日光を遮ることも平屋の暑さ対策には有効です。
また、お庭に植樹して遮るのもいいでしょう。
緑を取り入れることで室内からの眺めが心地よいものになります。
平屋の暑さ対策③窓も遮熱・断熱性能を高める
平屋の場合、大きな窓を設けて採光を取り入れることも多いのですが、窓が大きいとその分太陽光の熱が入り込んでしまいます。
そんなときは、遮熱性の高い窓を選ぶのがおすすめです。
一般的な一枚ガラスだと、日射熱を90%近く室内に伝えてしまうので、室内の温度は当然上昇してしまいます。
しかし、遮熱性が高い窓ガラスを使えば、太陽熱の侵入を大幅に防いでくれるので、平屋特有の「暑さ」を感じにくくなります。
断熱効果の高い樹脂窓を取り入れよう
窓の断熱性を高めるためにおすすめなのは、「樹脂サッシ+Low-Eガラス」の組み合わせです。
樹脂サッシは、従来のアルミサッシに比べて熱伝導率が低いため、外から熱気が入り込んでくるのを防いでくれます。
さらに単板ガラス窓よりも、二重になっているLow-Eガラス窓の方が、断熱性が高いので外からの熱が室内に漏れ伝わることがありません。
冷暖房効率も上がるので、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるでしょう。
遮熱カーテンやブラインドも効果的
遮熱性の高いカーテンやブラインドの設置で室内からアプローチするのもいいでしょう。
ほかにも、グリーンカーテンを設置し、見た目も涼やかに見せる工夫もおすすめです。
ちょっとした工夫ですが熱の伝わり方が全然違うので、平屋を建てたいという方は参考にしてみてください。
平屋の暑さ対策④換気システムを取り入れる
平屋の場合、通風の悪さがデメリットと考える人も多いのですが、それは間取を工夫したり、換気システムを活用したりすることで改善できます。
壁や窓の配置を工夫する
季節にもよりますが、日本の風は主に南北に吹くことが多いため、通風のための開口部は、南北にとることが重要です。
また、壁を多くしてしまうと、せっかくの風の通り道を塞いでしまうことになるので、壁の配置などにも注意しましょう。
換気システムを取り入れる
天井部に換気扇を配置したりシーリングファンを設置したりすると、室内の空気が上下方向に行き渡るので熱気がこもる心配がありません。
平屋の暑さ対策⑤小屋裏空間を広くする
平屋の家づくりによく取り入れられる小屋裏。
小屋裏とは、1階天井と屋根の間に設けられた空間のことでロフトや屋根裏とも呼ばれています。
「天井の高さが1.4メートル以下で面積が直下階の2分の1までに留める」などの取り決めを守れば延床面積に含まれないため、平屋のデッドスペースを活用して収納や書斎をつくることが多いです。
この小屋裏は、屋根から1階部分に伝わる熱を遮ってくれる役割があるため、平屋の暑さ対策に有効です。
小屋裏を設ける際は屋根部分も含めた断熱計画を
小屋裏空間を設ければ、小屋裏空間に熱を溜め込むので1階の居住スペースに太陽熱が伝わりにくくなります。
しかしそうなると当然、小屋裏に熱がこもってしまうので、夏場は蒸し暑くて結局使わなくなってしまった…というケースも。
そうならないためには、しっかりと空調システムを取り入れたり、屋根部分も断熱性能を高めたりするような工夫が必要です。
特に子供の秘密基地のような、ちょっとした遊び場にする予定であれば、温熱環境には十分に配慮しましょう。
平屋の暑さ対策をしっかりして快適な住まいを手に入れよう
平屋の「暑い」というマイナス要素も、1つ1つしっかり対策をとれば、快適な住まいになります。
平屋は、常に家族の存在を感じられ、部屋と部屋との移動がスムーズという非常に「贅沢な住まい」です。
敷地面積に余裕がある方は、平屋という選択肢も考えてみてもいいかもしれません。
私たち無添加建築設計では、断熱気密性を高めた工法を推奨しており、平屋特有の“蒸し暑さ”というデメリットを解消。
加えて調湿効果の高い漆喰や無垢材といった自然素材で快適さをプラス。
今回ご紹介したような平屋の暑さ対策を参考に、皆さんも憧れの平屋住宅を建ててみてください。
COLUMN
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