家のこと(新築)
2024.9.29. SUN
知っておきたいお家の換気術!換気をしないとどうなる?24時間換気の必要性と部屋の空気をキレイに保つコツとは?
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そもそも「換気」って?どんな目的で行うの?
ウイルス感染症の流行により、あちこちで「換気の重要性」が取り沙汰されていますが、そもそも換気とはどのようことを指すのでしょうか?
換気とは、室内の汚れた空気と室外の新鮮な空気を入れ替えること。
換気の目的には、主に以下のようなことが挙げられます。
- 空気環境の清浄化
- ニオイや湿気の排出
- 室内の熱の排出
- キッチンなど燃焼ガスの排出
など。
上記のように換気には様々な役割があります。
正しく行われていないと、家の中に嫌なニオイがこもったり、湿気で結露やカビが発生しやすくなったりするので注意が必要です。
また、室内に汚れた空気がこもったままだと、ハウスダストや花粉、ウイルス、細菌、ホルムアルデヒドなど様々なものが停滞し、健康に害を与える恐れもあります。
これを機に、お家の換気について正しく理解してみませんか。今回は、正しい換気の仕方や家づくりの際に取り入れたい換気の工夫についてご紹介します。
換気をしないとどうなる?私たちへの影響は?
そもそも、なぜ換気をしないといけないのでしょうか?
まずは換気の必要性についてご紹介します。
湿気がこもってカビが発生しやすくなる
換気が正しく行われていないと、部屋の中に湿気が溜り、結露やカビが発生しやすくなってしまいます。
カビが増えれば、今度はダニも繁殖しやすくなるため、アレルギー性鼻炎など健康被害をもたらすことになるでしょう。
シックハウス症候群のリスクが高まる
室内には、見えないだけで様々な物質が空気中に浮遊しています。
たとえば、
・ホコリなどのハウスダスト
・花粉
・ウイルスや細菌
・ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物
など。
このような物質が部屋の空気内に停滞すると、アレルギー性鼻炎やシックハウス症候群になるリスクが高まってしまうのです。
特に最近では、気密性の高い住宅が増えていますから、意識的に換気を行わないと、汚れた空気が外に出にくいと言われています。
実は私たちが1日で吸う空気の量はおよそ20kg。なんとごはん100杯分もの空気を吸い込んでいるため、空気をキレイに保つことはとても大切なことなのです。
一酸化炭素中毒になる恐れも…
灯油や石油などを使った暖房器具を使用している場合は、定期的に換気を行わないと一酸化炭素中毒になる恐れもあります。
これらの暖房器具は、部屋の中の酸素を利用して燃焼を促し、暖かい空気を放出しているため、換気を怠ることで徐々に酸素がなくなり、正しく暖房器具が燃焼しなくなってしまいます。
一酸化炭素中毒になると、頭痛や吐き気、手のしびれなどが起こり、これが進行すると最悪の場合死に至ることもありますから注意が必要です。
住宅の換気に欠かせない「24時間換気システム」とは?
24時間換気システムとは、機械を用いて換気を行うものです。取り付けた給気口から外の新鮮な空気を取り込んで、排気口から排出する仕組みです。
住宅の高断熱高気密化が進んだことにより、室内の空気汚染が問題化。これにより、現在では法律で24時間換気システムの設置がどの住宅にも義務付けられるようになりました。
一般的な住宅で採用されている換気システムの種類は主に2つ
一般的な住宅で採用されている機械換気は2つあります。
■第1種換気
第1種換気とは、給気も排気も機械を用いて行うものです。
熱交換換気装置を備えることで、取り込んだ外気を室温に近い状態で給気することが可能です。また、アレルギーの原因となる花粉やPM2.5などを除去して外気を取り込めるという特徴があります。
一方で、換気扇を多数稼動させることになるため、ややコストがかかるというデメリットがあります。
■第3種換気
第3種換気は、排気のみを機械で行う仕組み。
第1種換気に比べて設備が簡単なため、費用が抑えられるメリットがあります。換気扇のお手入れ以外はメンテナンスがほとんど要らないのも特徴の1つです。
24時間換気システムはつけっぱなしにしないとダメ?
よく質問があるのは24時間換気システムの稼働について。
寒い季節は24時間換気を常時稼働させることで寒さを感じたり、電気代が気になったりするため、24時間換気を切りたいと思う方もいるでしょう。
しかし、これは基本的にNG。
24時間換気を常時稼働させることにより、ゆっくりと家の中の空気を入れ替えているため、これをストップさせてしまうと、シックハウス症候群のリスクが高まるほか、結露がひどくなりカビの発生を許してしまうことになります。
どうしても寒さが気になるときは室内のCO2発生濃度も測定しながら注意をしつつ、給気口カバーを活用したり、換気量を調節したりしましょう。
電気代は、常時稼働させても月々数百円程度と言われています。これを節約し、万が一シックハウス症候群などの健康被害があれば、そのほうが費用的に高くついてしまいます。
電気代が上昇するご時世であっても、24時間換気はつけっぱなしにするのがおすすめです。
効率の良い換気の方法とは?
気密性の高い住宅が増えている今、より効率的に換気を行うことで、上手に空気の入れ替えを行うことができます。
効率の良い換気の方法について知っておきましょう。
窓を開けて風の通り道をつくる
家の中で風の通り道をつくることが効率の良い換気のポイントです。
風の通り道をつくる最も手軽な方法は、窓を開けるということですが、単に窓を開けたのでは意味がありません。
■なるべく離れた場所にある2箇所以上の窓を開ける
■対角線上にある窓を2箇所以上開ける
■高低差のある窓を2箇所以上開ける
つまり、空気が入る場所と出る場所をしっかりつくってあげるということが大切です。
もし、1箇所しか窓を開けることができないのであれば、サーキュレーターや扇風機を活用しましょう。
このとき、サーキュレーターや扇風機を室内に向けるのではなく、窓に向けて動かすことが重要です。
サーキュレーターや扇風機を窓に向けると、部屋の内側の空気を外へ効率よく排出することができます。
換気扇を活用する
どこの家庭にもあるキッチンの換気扇。
キッチンの換気扇は、排気量が非常に大きいため、効率良く換気を行うことができます。
コツは、キッチンから離れた窓を開けた状態で換気扇を回すこと。
そうすると、より空気の流れができるので、効率よく換気を行うことができます。
24時間換気システムの利用
2003年7月以降に建てられた家には、24時間換気システムの設置が義務付けられています。
この24時間換気システムは、常時稼働させることが必要です。
換気システムのスイッチをオフにしたり、各部屋に設置された換気口を閉じてしまったりすると、正しく換気することができませんので注意しましょう。
また、併せて排気口やフィルターの掃除を定期的に行うことも重要です。
自然換気の頻度はどのくらい?
換気の目安は、1時間に5~10分程度が良いとされています。
また、1回の換気時間を長くするよりも、換気回数を増やした方が効率が良いとされています。
たとえば、1時間に20分換気を行うよりも、30分おきに1回5分の換気を行う方が効率的ということです。
特に冬場は、窓を開けっ放しにすると室温が下がり、寒さを感じてしまうので、換気回数を増やし、1回の換気時間を短めにすると良いでしょう。
家づくりに取り入れたい換気の工夫
換気の正しい知識を得たなら、家づくりに是非とも活かしたいところ。
これから家を建てるという方は、以下を参考に換気しやすい家づくりをしましょう。
吹き抜けをつくる
開放感があり、見た目もおしゃれな吹き抜けは、近年人気の間取りですが、それだけでなく風の通り道をつくりやすいというのもメリットの1つです。
基本的に空気は温められると軽くなって上昇し、冷たくなると凝縮して降下する性質があります。
それを利用して風の通り道をつくるのが「重量換気(または温度差換気)」です。
重量換気を正しく行うためには、吹き抜けをつくり、家の高い位置と低い位置にそれぞれ窓を設けます。
すると、低い位置から冷たい空気が入り込み、家の中を通って温まった空気が高い位置から出ていきます。
家の中の空気がこもらずに、常に循環していくので、結露の発生などを極力抑えることができるでしょう。
南北対角線上に窓をつくる
季節や地域によっても多少の差はありますが、日本は基本的に、南から北にかけて風が吹くと言われています。
そのため、家の南側と北側に窓を設けると、風の通り道ができ、空気が循環しやすいのでおすすめです。
気密性の高い家づくりをする
そもそも、気密性が低く隙間だらけな家というのは、換気効率が非常に悪いもの。
外の新鮮な空気を取り込み、汚れた室内の空気を出そうとしても、家じゅうの隙間から空気が逃げてしまいます。
内断熱外断熱を正しく施工し、気密性の高い家づくりを目指しましょう。
気密性が高い、低いというのは、建築中も中間測定し、最終的には完成してから専用の機材を用いて測定し、判断されます。断熱性能と異なり「実測値」ですから、建て終わってみないとわからないのです。
なので、依頼する施工会社がどのくらいの気密性能を基準としているのかを確認してから施工を依頼すると安心です。
正しい換気方法を知って家の中を心地良い空間にしよう
換気を正しく行うことは、家の中の空気を常にキレイに保つということ。
人は、食べ物や飲み物を口にする以上に空気を口にしている割合の方が圧倒的に多いですから、空気をキレイにすることが健康を維持することにもつながるのです。
窓を定期的に開けて行う自然換気はもちろんですが、24時間換気システムを常時稼働することもとても大事なこと。
今回ご紹介したような正しい換気方法をしっかりおさえて、日々の暮らしに取り入れ、家族の健康を守りましょう。
私たち無添加建築設計の家づくりでは、家の中の空気をキレイに保つ工夫がたくさんされています。
たとえば、調湿効果の高い無垢材や漆喰と言った自然由来の建材を使うことで、結露やカビ・ダニの発生を防いだり、合板フローリングやビニールクロスといった化学物質を発生させる新建材を使わないことでシックハウス症候群を防いだり。
些細なことのように感じますが、この1つ1つが本当の快適さにつながります。
これから家づくりをしようとしている方は、換気を正しく行うことに加え、そもそも空気を汚さない家づくりを検討してみてはいかがでしょうか。
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