暖房器具は「エアコン」が1番おすすめ!

暖房器具はどれが効率良い?お財布と体に優しい暖房器具の選び方

「空調」という言葉を聞いたことのある方は多いと思いますが、そもそも「空調」とはどういうことかご存知ですか?

 

空調とは、「空気調和」の略語で、空気調和とは暖房、冷房、除湿、加湿の4つの要素を指しています。

日本には春夏秋冬という四季が存在しますから、一年中快適に過ごそうと思うと、この4つの要素すべてが必要になってきます。

寒い冬は、暖房を。

暑い夏は、冷房を。

梅雨の時期は、除湿器を。

乾燥する冬は、加湿器を。

…というように。

 

しかしこの4つの要素すべてに対し、それぞれ対応する器具を揃えると、設備費用だけでなく電気代も高くなってしまいます。

そこでおすすめしたいのが「エアコン」です。

なんとエアコンは、この4要素のうち、暖房、冷房、除湿の3つの役割を1台で果たしてくれるので、設備費用をグッと抑えることができます。あれもこれも…と買い揃える必要がありません。

 

しかも、エアコンは1台3役なのに、暖房、冷房、除湿…どの機能でも、他の専用の機器と比較して燃費№1なんです。

今回は、そんなエアコンの優秀さと他の暖房器具との比較をご紹介します。

どれが家計にも体にもやさしい暖房器具なのか、この記事を読んでぜひ参考にしてくださいね。

エアコンは超優秀機器なのになぜ嫌われ者?

暖房器具はどれが効率良い?お財布と体に優しい暖房器具の選び方

一般的に、機能を複数兼ね備えた機器というのは、1つ1つの性能が劣るようなことが多いのですが、実はエアコンというのは、暖房、冷房、除湿のどの機能においても最もランニングコストが低いという特徴があります。

 

それなのに、意外とエアコン嫌いな人は多いでしょう。

「なかなか暖まらない」

「空気が乾燥する」

「足元が冷える」

「電気代が高い」

など、様々も理由から、冬はエアコンではなく、ホットカーペットやオイルヒーターを使用する方も多いのではないでしょうか。

なぜエアコンはこんなにも嫌われてしまうのか、その理由から見ていきましょう。

 

理由①家の性能が悪いから

エアコンというのは、灯油ヒーターと比べると、温風温度が低い(40~50℃程)です。

さらに、エアコンは上から温風を吹き出す仕組みなので、低断熱住宅の場合、暖かさを感じにくいという欠点があります。

 

エアコンで暖かめようとしても、窓や足元から冷気を感じてしまうため、体感温度が上がりにくいのです。

そして、なかなか暖まらないから…と、暖房の風量を上げてしまうことで、より空気が乾燥しやすくなってしまいます。

つまり、エアコンが悪いわけではなく、家そのものに原因があることがほとんどなのです。

低断熱住宅であるがゆえに、エアコンの良さを十分に感じることができないということです。

 

理由②“電気代”としてまとめて請求が来るから

灯油やガスファンヒーターと違い、エアコンは、他の使用電気とまとめて請求が来ます。

そのため、なんとなく高額に感じてしまう方もいるでしょう。

電気代は、当然エアコンだけでなく、ドライヤー、テレビなど様々な電化製品の使用料金が含まれているので、純粋なエアコンだけの金額を感じにくいのかもしれません。

 

【燃費別】暖房器具ランキング

暖房器具はどれが効率良い?お財布と体に優しい暖房器具の選び方

では早速、燃費別に暖房器具を見ていきましょう。

エアコンが高いというイメージを持っていた方は、上の表を見て驚いてしまうかもしれませんね。

省エネ・使い易さという観点から見て、どの暖房器具を選択したらよいのか、ぜひ参考にしてください。

 

第1位:エアコン/断トツで低燃費!

図のとおり、1位、2位、4位はエアコンです。

この違いは何か?というと、それは実効COPの違いにあります。

実効COPとは、自動車でいうところの燃費の良さを表したもの。

数値が高ければ高いほど、エアコンの燃費が良いということです。

 

エアコンというのは、自動車と同じで使い方によって燃費の良さが変わってきます。

効率良くエアコンを使うことができれば、他のどの暖房器具と比べてもランニングコストが安くなります。

特にホットカーペットやオイルヒーターと比べると、ランニングコストの良し悪しがはっきり分かるでしょう。

第2位:灯油ファンヒーター/使い方の違いに関わらず燃費は◎

寒い地方などではよく使用されている灯油ファンヒーター。

ランキングを見るとわかるとおり、燃費の良さはエアコンに次いで第2位です。

灯油ファンヒーターは、エアコンのように使い方の違いによって燃費が良くなったり悪くなったりすることはありません

 

なぜかというと、そもそも温風の温度が高いからです。

エアコンの場合、温風の温度は40~50℃程度。低温大風量でお部屋全体を温めます。

もちろん、40~50℃の温風でも高断熱高気密の住宅であれば、問題なく暖かさを感じますが、低断熱住宅だと、いくらエアコンを使っていてもなかなかお部屋が温まらず、何度も温度を上げたり強風にしたりして、その結果、燃費が悪くなってしまうことがほとんどです。

 

一方、灯油ファンヒーターは、120~140℃という高い温度の風が出ます。

しかも、床すれすれの位置から風が出るので、足元から温まりやすいのが特徴です。

このため、家の環境や使う人に関わらず、効率よく暖房器具を使うことができます。

第3位:ガスファンヒーター/乾燥しにくいが換気は必須

灯油ファンヒーターよりは落ちますが、ガスファンヒーターもエアコン以上に高い温度の温風が出るので、足元が温まりやすいです。

また、ガスファンヒーターの大きな特徴は、燃焼時に水分を発生させること。

 

灯油やガスファンヒーターは、燃料にCHOを使っています。

これは酸素と炭素と水素の化合物なので、燃えて酸化すると、CO2とH2Oになり、空気中に二酸化炭素と水を発生させます。

そのため、エアコンに比べて乾燥しにくいのです。

 

ただし、汚染物質も一緒に排出されてしまうため、定期的な換気が必要になります。

室内で煙突なしの状態で焚火をしているようなものですから、必ずこまめに窓を開け、換気を行わなければなりません。

これだといくら暖房機器を使っても、なかなか暖まりません。

そういう意味では、たとえ燃費が良くても、あってはならない暖房機器と言えるでしょう。

ちなみにFF式と言って寒冷地などで使われている灯油やガスファンヒーターは、煙突が後ろにあって、燃焼した排気ガスを外に排出するようになっていますから、頻繁な換気がなくても安全に使用できるような作りになっています。

 

エアコンを効率よく使うには?

暖房器具はどれが効率良い?お財布と体に優しい暖房器具の選び方

先程ご紹介したように、エアコンというのは使い方によって、実燃費が大きく変わります。

なるべく上手な使い方ができれば、先述した燃費別暖房機器ランキング1位の、単価7円に近しい燃費の良さを保つことができるでしょう。

では一体、どうしたらエアコンを効率よく使うことができるのか、以下で詳しくご紹介します。

 

①エアコンは最も小さなエアコンを選ぶ

エアコンを購入する場合、誰もが参考にするのが「畳数」です。

10畳の部屋で使うなら、10畳用もしくは、それより大きなエアコンを購入すると思います。

しかし、これが落とし穴。

実はこの「畳数表示」の基準は、50年以上も前から全く変わっていないのです。

つまり、当時の「平屋低断熱住宅」を基準にした畳数表示となっているため、現在のような「高気密高断熱住宅」に当てはめてしまうと“オーバースペック”になってしまうのです。

不足がない程度で一番小さいエアコンを使い、ランニングコストもイニシャルコストも下げるよう工夫しましょう。

②24hつけっぱなしがおすすめ

冬でも南からの日射がたっぷりあり、何もしなくても室温が20℃に保たれるような高断熱高気密住宅であれば、24時間エアコンをつけっぱなしにしなくてもいいですが、一般的な住宅であれば、24時間つけっぱなしにしたほうが、燃費が良くなるのでおすすめです。

 

エアコンの最も悪い使い方は、電源のON/OFFを頻繁に繰り返すこと。

電気代を気にして、何度もつけたり消したりを繰り返すと、逆に燃費が悪くなり、電気代がかかってしまうのです。

自動車で言えば、加速減速を繰り返すようなもの。

特に冷房は、24時間つけっぱなしにした方が、効率よくエアコンを使うことができますよ

③家づくりから改善する

冒頭でも少し触れましたが、そもそもエアコンが寒い・効きが悪いと感じるのは、家の性能が悪いから。

家の性能が悪いというのは、断熱・気密性能が低いということです。

断熱・気密性能が悪いと、いくらエアコンで温めようとしても、窓や床から熱が逃げてしまいます。

この断熱・気密性能を高めるためには、断熱材をしっかり隙間なく入れるなど様々な方法がありますが、その1つとして挙げられるのが「窓」です。

 

現在多くの住宅で使用されている「アルミサッシ+単板ガラス」に比べて、「樹脂サッシ+ペアガラス(二層)やトリプルガラス(三層)」は、断熱性が非常に高いため、外気温に左右されず、いつも快適な室温に保つことができます。

エアコンの熱も逃がさないので、必然的に暖房効率がアップするでしょう。

これから新築を建てる・リフォームをするなど検討している方は、ランニングコストを考えた家づくりをしてみてください。

高断熱高気密住宅だとこんなに違う!H28省エネ基準の家VS無添加建築設計の家

暖房器具はどれが効率良い?お財布と体に優しい暖房器具の選び方

断熱・気密性が高い住宅というのは、やはりエアコン効率が良いためライフサイクルコストをぐっと抑えることができます。

ライフサイクルコストとは、冷暖房費やメンテナンス費など「そこに住む」ことでかかる費用のことです。

 

ライフサイクルコストは一体どれくらい違うのか、ここでは無添加建築設計の家とそうでない家と比較してご紹介します。

 

冷暖房費の違い

※1~4,11,12月/暖房期間 7~9月/冷房期間 5,6,10月/冷暖房無しの期間のこと。記載の燃費(冷暖房費)は、(一社)新木造住宅技術研究協議会が開発した、住宅の冷暖房燃費計算プログラム「QPEX(キューペックス)」を用いて算出。 ・延床面積/約38坪 ・省エネ基準の地域区分/5地域 ・無添加建築設計の家のUA値/0.42(断熱等性能等級6) ・省エネ基準の家のUA値/0.87(断熱等性能等級4) ・暖冷房設定/全館連続運転、暖房設定室温20℃、冷房設定室温27℃、湿度60% ・冷暖房ともにエアコン(電気)による

※1~4,11,12月/暖房期間 7~9月/冷房期間 5,6,10月/冷暖房無しの期間のこと。記載の燃費(冷暖房費)は、(一社)新木造住宅技術研究協議会が開発した、住宅の冷暖房燃費計算プログラム「QPEX(キューペックス)」を用いて算出。 ・延床面積/約38坪 ・省エネ基準の地域区分/5地域 ・無添加建築設計の家のUA値/0.42(断熱等性能等級6) ・省エネ基準の家のUA値/0.87(断熱等性能等級4) ・暖冷房設定/全館連続運転、暖房設定室温20℃、冷房設定室温27℃、湿度60% ・冷暖房ともにエアコン(電気)による

表は、月別の冷暖房費を表にしたものです。

どの家でも最も多く冷暖房を使用するのは、やはり12~2月の冬の時期。

 

高断熱高気密住宅とそうでない家は、月の冷暖房費が15,000円以上も変わってくるなんて驚かれた方も多いのではないでしょうか。

年間で言うと8万円以上も違いますから、いかに家計の負担を抑えられるかがわかると思います。

 

なぜこんなにも無添加建築設計の家は冷暖房費を抑えられるのかというと、それはやはり温熱環境が整った家づくりだからです。

冬は太陽光を取り入れて室内を温かく快適に。夏は日射を遮って涼しく過ごせます。

断熱・気密性能が高いので、エアコンを上下階に1台ずつ設置し、暖気や冷気を効率よく家全体に循環させることも可能。

各部屋にエアコンを設置してそれぞれ稼働させるよりも、ずっと効率よく使うことができるのです。

 

冷暖房費の節約は、家づくりから始まっていると言っても過言ではないでしょう。

 

メンテナンス費の違い

各部屋にエアコンを設置しない無添加建築設計の家は、エアコンの買い替え費用もかかりません。

たとえば、10年に1度、各部屋に設置されているエアコンを5台買い替えるとした場合、本体費用と設置費用でおよそ700,000円かかります。

 

一方、無添加建築設計の家の場合、上下階に1台ずつ設置=計2台で全館空調ができる設計をすれば、280,000円ほどしか買い替え費用がかかりません。半分以下の維持費で済むということです。

だからこそ、家の性能は重要。その違いを知れば、家づくりへのこだわりが必要かそうでないかが自ずと見えてくるでしょう。

 

暖房器具はエアコンがベスト!使い方次第でより快適に

暖房器具はどれが効率良い?お財布と体に優しい暖房器具の選び方

今回ご紹介したように、多数ある暖房器具の中で、コストパフォーマンスが最も良いのが「エアコン」です。

暖房としての機能はもちろんですが、冷房や除湿としても非常に低燃費な機器は他に存在しません。

 

このエアコンの良さを最大限に引き出すためには、使い方・選び方に気を付けることが大切です。

そして根本的な改善をするのなら、家の断熱性・気密性を高めることが必要となってきます。

日本では、夏の熱中症ばかり取り沙汰されていますが、実は冬のヒートショックで亡くなる人の方がはるかに多いのです。

寒い家は、家計の負担を大きくするだけでなく、私たちの体にも大きな負担がかかります。

 

経済的性、快適性を考えながら、エアコンを上手に使うこと、そしてできるなら、エアコンを低燃費で使っても十分な暖かさを感じられるような住宅環境にすることが大切です。

 

私たち無添加建築設計でも、断熱性気密性に優れた家づくりを推奨しています。

クアトロ断熱に加え、樹脂窓や断熱性・調湿性の高い自然素材を使用し、暮らしの快適さを追究。

住む人みんなが、心地良いと感じ、お財布にも地球環境にもやさしい家づくりを目指しています。

家が寒い!エアコンが効かない!と悩んでいる方は、エアコンのデメリットばかりに目を向けるのではなく、根本的な家の性能について改善していきましょう。