お金のこと
2024.9.19. THU
ライフサイクルコストを抑えた家づくり
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ライフサイクルコストとは?
建築から取り壊しまでの期間にかかる、住宅のメンテナンス費・冷暖房費・取り壊しの費用など、「そこに住む」ことでかかる全ての費用の合計金額をライフサイクルコストと言います。
長く住めば住むほど、ライフサイクルコストという視点で見ると、建築時の費用は氷山の一角にすぎません。
メンテナンス費の比較
一般的な木造の家 | ||
メンテナンス項目 | 目安期間 | 30年間の費用概算 |
床フローリングの張り替え | 25~30年で張り替え | 681,408円 |
ビニールクロスの張り替え | 15年毎に張り替え | 476,986円 |
サイディングの部分補修(防水処理) | 10年毎に部分補修、30年目で張り替え | 3,600,000円 |
サイディングの目地の部分補修 | 5年毎に部分補修、15年毎に打ち替え | 1,000,000円 |
バルコニーの部分補修(防水処理) | 10年毎に部分補修、20年目で防水処理 | 578,571円 |
スレート瓦の部分補修(防水処理) | 10年毎に部分補修、30年目で張り替え | 1,800,000円 |
雨樋の取り替え | 20年目で取り替え | 400,000円 |
シロアリなどの防虫処理 | 基本的には5年毎に防虫処理 | 1,500,000円 |
エアコンの買い替え | 10年毎に買い替え(5台分の本体+設置費等) | 700,000円 |
総額 | 10,736,965円 |
無添加建築設計の家 | ||
メンテナンス項目 | 目安期間 | 30年間の費用概算 |
床無垢材フローリング | 基本的に張り替えは必要ない(2~3年でワックス上塗り) | 55,000円 |
内壁スペイン漆喰 | 大きなメンテナンスは必要ない(補修程度) | 0円 |
外壁遮熱塗り壁 | 大きなメンテナンスは必要ない(汚れがある場合は洗浄) | 89,435円 |
バルコニーなどの防水処理 | 10年ごとに防水処理 | 675,000円 |
屋根瓦 | 割れたり外れたりしなければ必要ない | 0円 |
シロアリなどの防虫処理 | 基本的には必要ない | 0円 |
エアコンの買い替え | 10年毎に買い替え(2台分の本体+設置費等) | 280,000円 |
総額 | 1,099,435円 |
10,736,965円-1,099,435円=9,637,530円
※30坪の家の場合のシミュレーション結果です。電気代等については計算に含んでいません。
※エアコンの台数は、住宅の断熱性能により必要とされる想定数です。
冷暖房費の比較
メンテナンス費と冷暖房費の差額合計は約1,200万円
一般的な木造住宅と無添加建築設計の家を、30年という区切りで見たライフサイクルコスト。
差額合計は約1,200万円でした。
例えば、一般的な木造住宅の建築費用が2,200万円だった場合。
同じ大きさ、同じ間取りで断熱・気密・工法などのスペックを上げ、無添加建築設計の推奨仕様で建築しようとすると、建築費用が2,800万円になるとします。
建築費用の差額は600万円のコストアップですが、30年で見ると600万円のコストダウンです。
ホントに1,200万円も差がでるの?
1,200万円というライフサイクルコストの差額。
ライフスタイルやメンテナンスの頻度、冷暖房の使い方など、個々のご家庭により実際は大きく異なると思います。
そもそも、このシミュレーション自体を疑われる方もいるかもしれません。
それらを極限まで大きく加味し、差額を半分の600万円と仮定します。
ちょうど上記の建築費の差額と同じです。
30年のライフサイクルコストで見ると総額は同じですが、決定的に違うことがあります。
それは、日々の暮らしの快適さです。
夏は暑くて冬は寒い、冷暖房をガンガン使ったとしても、冬の足元の冷えや、夏の2階のムアッとした暑さを我慢しながら暮らすのか。
または、自然素材や無垢材に包まれた心地よい空間で、最低限の空調で年間を通して家中涼しく暖かく、トイレや洗面所や2階の居室も、リビングと変わらない室温で快適に健康に暮らすのか。
それが最低30年間続くことを考えれば、ご自身にもご家族にも、きっと後者のほうが良いのではないでしょうか。