家のこと(新築)
2024.10.07. MON
オールアース住宅とは?人体にどんな影響がある?これからの暮らしに必要な3つの電磁波対策
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オールアース住宅って何?
近年、注目度が高くなっている「オールアース住宅」。
オールアース住宅は、建物から発生する電磁波(電場)を、導電性シートを使ってカットし、人体への影響を極力抑えた住宅のことを言います。
電磁波というのは目に見えないものなので、その影響がどれだけあるのか?というのはピンとこないかもしれません。
しかし、私たちは数十年前に比べて多くの電化製品とともに暮らしています。洗濯機や冷蔵庫、テレビなどいわゆる「三種の神器」と言われる家電はもちろんのこと、パソコンやスマートフォン、タブレットといった便利なアイテムも1人1台持つのが当たり前の時代になりました。
このような電化製品からは、電磁波が発せられており、それは人体に何かしらの影響を与えているといわれています。
便利な世の中だからこそ、改めて健康について考えたい…そんな方のために、今回は気になる「オールアース住宅」について詳しくご紹介します。
そもそも電磁波とは?
電化製品から発せられている電磁波。
実際には目に見えるものではないため、ピンとこない方もいると思います。まずはこの電磁波について少しずつ理解していきましょう。
電磁波には電場(電界)と磁場(磁界)の2つの要素があります。
これらが交互に発生し、波のように空間を伝わっていくエネルギーのことを「電磁波」といい、送電線や電化製品など電気が流れる場所に発生します。
身近な電化製品を使用している場合であれば、電磁波の発生の有無は以下のようなイメージです。
◎電化製品をコンセントにつないで使用している場合…電場も磁場も発生!
◎コンセントにつないでいるがスイッチはオフになっている場合…磁場は発生していないが、電場は発生!
◎スイッチをオフし、コンセントも外れている場合…電場も磁場も発生していない
私たちの身近な電磁波とは?
電磁波をもっと具体的に感じるために、どんな種類があるのかご紹介しましょう。
・レントゲン検査で用いられる「放射線」
・赤外線、紫外線などの「光」
・テレビや携帯電話などに利用される「電波」
・電子レンジに使われている「マイクロ波」
など、強弱は異なるものの、様々な電磁波が存在します。
家庭で日常的に使用する電化製品ならば、電子レンジ、掃除機、こたつ、ヘアドライヤー、ホットカーペットなどは比較的電磁波が高いものです。
電磁波の強弱と人体との関係
電磁波は、波の数である「周波数」によって表され、この周波数が高ければ高いほどエネルギーが強く、人体への影響も高いと考えられています。
最も代表的なものでいうと、放射線や紫外線などは比較的高い周波数を持っているため、人体への副作用が大きいと言われています。
一方、「超低周波」と呼ばれる送電線や一般家庭にある家電製品から発する電磁波は、エネルギーがとても弱いため、距離をとれば人体への影響がほとんどないと考えられています。
ただし、強弱を問わず、長時間使用するものには要注意!
長時間使うということは、使っている時間の分だけ電磁波を浴び続けているということです。
たとえば、こたつやホットカーペットで暖をとる方は、長時間その場所で使用し続けるわけですから、その分、電磁波の影響を受けているということになります。
うっかりこたつでうたた寝…なんていうときは、電磁波を浴びながら寝ていることになります。
※参考文献:東京都環境局「電磁波(電磁界)って何だろう?」より
電磁波は私たちにどんな影響を与えるの?
数十年前に比べ、当たり前のようにパソコンやスマートフォンを持ち、便利な電化製品が身の回りにあふれている今。
電磁波に囲まれて生活しているような気がします。
となると、人体に与える影響が気になるところ…。しかし電磁波というのは、ゆっくりと私たちの体に負担をかけると言われているため、様々な体調不良が現れたとしても、現在のところは電磁波が原因の健康被害かどうかは実はまだはっきりと解明されていません。
ところが直接的ではなくても、電磁波による影響に悩まされている人はいます。一体どんな影響があるのか見ていきましょう。
アレルギー性鼻炎
電磁波は静電気を発生させます。テレビの後ろにびっしりとホコリが溜まり、壁も真っ黒になってしまっていることがあります。
この静電気は、電化製品をコンセントに接続した時点で発生する「電場」が原因。
静電気はホコリを吸着し、それがハウスダストとなってアレルギー性鼻炎や皮膚炎の原因になってしまうことも。
直接的な関係性はありませんが、これもある種の電磁波による健康被害と言えるでしょう。
電磁波過敏症
静電気の原因である「電場」とは違い、電化製品をコンセントにつなぎ、スイッチをオンの状態にしないと発生しない「磁場」は、ひとたび電流が流れると体の内部に影響を与えるといわれています。
特に電磁波に敏感に反応する方は、身の回りの微弱な電磁波に反応してしまい、頭痛や吐き気、めまいなどを引き起こすことがあります。
ドライアイや肩こりも、もしかしたら電磁波によって引き起こされる健康被害かもしれません。
ただし、電磁波過敏症についてはいまだ明確な基準がなく、電磁波が原因なのか否かはハッキリしない部分が多いのが現状です。
とはいえ、海外では社会的認知度が高まっており、スマートフォンを子供に使用させないなどの制限を設けている国もあります。
睡眠障害や頭痛
パソコンやスマートフォンなどから発せられるブルーライト。実はこれも紫外線と同じで電磁波の一種です。
私たち現代人にとって、これらの電子機器というのは欠かせないものです。よく寝る前にパソコンのメールを見たり、スマートフォンでSNSをチェックしたりする方も多いのではないでしょうか。
しかし、寝る前にブルーライトを浴びると、体が休まらず睡眠障害の原因になったり、まぶしさからか目に影響が出て頭痛や吐き気を引き起こしたりすることもあります。これもまた、電磁波の人体への影響の1つと考えられています。
オールアース住宅の仕組み
これだけ電化製品が普及したことにより、日本の住宅はまるで屋内配線のジャングルです。たとえ床や壁の内側であったとしても、そこから電磁波の影響を受けてしまうので、使用する電化製品からいくら遠ざかっても、床に座ったり寝転がったりするだけで電磁波の影響を受けてしまいます。
そこで考え出されたのがオールアース住宅。
より自然な環境で、体に負担をかけずに暮らしたいという人におすすめされています。
具体的にどのような処置が施されるのか、見ていきましょう。
導電性シートを壁や床に施工する
通常の家づくりとオールアース住宅の違いは、家づくりの段階から壁や床の内部に「有機導電性シート」を施工し、電磁波を地面に逃がしてあげる点です。
壁や床の内部に施工してしまうので、外観や内装を損なう心配がありません。また、内部に施工するため劣化しにくいというのもメリットの1つです。
特に気になるキッチン周りや寝室、子供部屋などを中心に施工する人が増えています。
アースをつなぐ
洗濯機や電子レンジなどに付属されている「アース線」。
漏電が起きたときに電流を地面に流して感電を防ぐ役割があることで知られていますが、実はアース線の役割はそれだけではありません。
アース線をつなぐことで「電場」も逃がしてくれます。
日本では100V程度の電圧がコンセントに流れていますが、欧米では200V以上が主流。
そのため、欧米では最初からアース付きのコンセントが当たり前のように使われています。
しかし、日本では大きな電圧を使う電化製品(レンジやエアコン、冷蔵庫など)はアースをつないでいますが、そのほかのパソコンやゲーム機などはつないでいないことがほとんどです。
というのも日本の場合、欧米のようにアース付きコンセントでないため、つなぎたくてもアースが遠くてつなげない…という状態が起こるからです。
確かに日本の電化製品は質がとてもいいので、アースをつながなくても漏電や感電のリスクは低いもの。
本来の役割すら知らなかったという人も多いでしょう。
しかし、アースをつないでおかないと電場ができやすい環境になってしまうため、極力、アースをつないで余分な電気を地面に逃がしてあげるのが良いのです。
家づくりをする際は、アース付きコンセントを積極的に使用することが望ましいです。リフォーム工事等の場合は、アース線の引き込み工事が必要か否かも確認するといいと思います。
今からできる電磁波対策は?
オールアース住宅の家づくりをするだけでなく、もっと手軽に電磁波対策について考えてみたいという方には、以下のような対策がおすすめです。
なんとなく体がだるい、頭痛に悩まされている…など原因不明の体調不良を感じたら、試してみてください。
スマートフォンやパソコンは充電しながら操作しない
今すぐできる電磁波対策としては、スマートフォンやパソコンを充電しながら使用しないこと。
電磁波をカットした生活を送るためには、なるべく対象物から距離をとることが有効ですが、常にそのものに接した状態で使用するスマートフォンやパソコンについては、なかなか対策ができないでしょう。
基本的に電磁波のうち「電場」は、アースをつなぐことでカットできますから、ノートパソコンの場合は、極力アースをつないで使うようにしましょう。
スマートフォンの場合は充電器につないだ状態で使用したり、寝るときに枕元の近くに置いたりしないのがおすすめです。
使用する電化製品と距離をとる
電気ケトルやIH調理器などの場合は、使用する際に少し距離をとるだけでも電磁波の影響を和らげることができます。
同様に、ベッドサイドに置く携帯電話やスマートフォンにも注意しましょう。
夜間にスマホの充電を行う方が多いと思いますが、充電中は強力な電磁波を発生しているため、枕元に置かない方がベターです。
もっと言えば、壁の中にある屋内配線からも電磁波が発生しているため、ベッドも壁から少し離れた場所に置くのがいいでしょう。
オールアース住宅で体にやさしい暮らしを!
時代とともに、様々な便利な電化製品が増えた一方で、気になるのが健康被害。
今回ご紹介した電磁波については、今後もっと注目度が集まるのではないかと言われています。
事実、ヨーロッパなどではかなり厳しい電磁波のガイドラインがあり、それに基づいた家づくりがなされています。
その一方で、電磁波に対する意識がまだまだ乏しい日本の家づくり。
今回ご紹介したオールアース住宅や電磁波についての知識を深め、これからの家づくりに生かしていきましょう。
私たち無添加建築設計でも、オールアース住宅を推進しています。
まだ認知度が少ない今、気にはなっているけれど何から始めていいかわからない…という方もいるでしょう。
そんなお客様のお役に立てるよう、私たちも常に勉強を重ね、ご興味のある方へのご提案に努めています。
自然素材の活用や断熱・気密、省エネ住宅と同じように、これからは電磁波対策についても家づくりの1つとして考えてみるといいかもしれません。
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
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