家のこと(新築)
2025.3.11. TUE
家事ストレスを軽減!家族と考える「家事シェア」ができる家づくり3つのヒント

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共働き家庭が抱える「家事負担」の問題

※厚生労働省HP「共働き世帯数年次推移」より
ひと昔前までは、女性は家庭を守り、男性は仕事に出かけるといったことが当たり前だったのに対し、近年では夫婦ともに働く「共働き家庭」が急増しています。
厚生労働省が発表しているデータによれば、共働き家庭は90年代後半から徐々に右肩上がりになり、2000年代では圧倒的に共働き家庭の方が多いことがわかります。(※)
その背景には、世帯収入の減少、物価の高騰などが上げられ、子育てや老後の資金確保のために夫婦で働きに出る家庭が増えたと考えられています。
しかし、共働き家庭の増加に伴い、どの家庭も抱えているのが「家事負担」の問題。働きながら家事や子育てをすることの大変さ、難しさに直面し、どの家庭もなんとしかして負担を削減しようと試行錯誤しているのではないでしょうか。
※厚生労働省HP「共働き世帯数年次推移」より
名もなき家事を家族で分け合う「家事シェア」のメリット

「家事」と聞いて思い浮かぶのは、洗濯、掃除、料理…ですが、これらの家事のなかには、たくさんの細かな作業が隠されています。
たとえば…
・買ってきた日用品を棚に収納する
・洗剤やシャンプーの中身を補充する
・洗濯したものを畳んでしまう
・脱いだ服を洗濯カゴに入れる
など。
このような家事は挙げ出したらキリがなく、1つ1つに名前がないことから「名もなき家事」とも呼ばれています。
名もなき家事はさほど難しい作業ではないものの、数が多ければ負担も増!
しかしその負担を、もし家族みんなと分け合えたらどうでしょうか?
ここではそんな「家事シェア」のメリットをご紹介します。
メリット①誰か1人の負担が減る
これまで家事の多くを担ってきた人の負担を大幅に削減できるというのも家事シェアのメリットです。
日本では長い間、女性は家庭を守り、男性が働くという生活スタイルでしたから、共働き家庭が増えたところでその負担は変わっていないもの。
働きながら家事や育児の一切を担っているママの負担は意外と大きいのです。
家事シェアで負担を減らすことができれば、それらのストレスから解放されるかもしれません。
メリット②自立心が育つ
家事シェアの大きなメリットは、家族1人1人の自立が進むということ。
それぞれが自分の持ち物を管理・整理したり、様々な家事を協力し合いながら行ったりすることで、家族みんなの家事スキルがアップします。
これまで「ママ~!あの洋服、どこにしまってある?」なんてすべてが“ママ頼み”だったご家庭も、家事シェアで変わるかもしれません。
メリット③家族のコミュニケーションも増える
家事の1つ1つを“担当制”にする「家事分担」とは違い、家事シェアは家族が率先して家事を行いますから、「ここは私がやるね」「おもちゃは片付けたよ」など家事を通して家族間のコミュニケーションが自然と増えるでしょう。
「ありがとう」といった感謝の言葉も交わす機会が増えるので、家族の絆も深まります。
また、家事を効率的にこなすことで余った時間を有効活用できることもメリットです。
家族みんなでのんびり過ごす時間が増えることは、家庭円満の第一歩かもしれません。
家事シェアしやすい家づくりに必要な3つのこと

家族各々が自分のことは自分でやり、家事を協力し合いながら遂行するというのが「家事シェア」ですが、これまで家事をする習慣のなかった人にとってはなかなかすぐに行動できるものではありません。
そこでおすすめなのが家事シェアしやすい家づくり!
- 家事動線を整える
- 誰もが使いやすい収納を設ける
- 時短家事が叶う便利な設備を導入する
この3つの要素を取り入れて、家族みんなが自然と家事シェアできるようにしましょう。
家事効率を考えた動線を確保しよう!
家族と家事シェアを目指すなら、家事動線を整えることはマストです。
検討する際は自分たちの生活スタイルを振り返ってみて、どんな家事動線にしたらスムーズなのかを考えてみましょう。
基本は、移動がスムーズな「回遊動線」がおすすめ。
複数の家事を同時にこなす際に、移動がスムーズな方が往来の手間が省け、時短になります。
■洗濯動線は移動距離を短縮して快適さアップ
家事のなかで最も手間がかかるのが「洗濯」。
洗う→干す→取り込む→畳む→しまう…という5ステップは負担が大きい原因となります。
1階の洗濯機から2階のバルコニーへ干し、取り込んだ後は各部屋のクローゼットへしまうという間取りだと、それだけで重労働です。
なるべく作業が効率よく行えるように、ランドリーブースをつくり、「洗う・干す・畳む」を一度に行えるような動線にするとよいでしょう。
ファミリークローゼットなど収納場所を、近くに設置するとGOOD。
移動距離が短縮されることで、家事も時短になります。
■キッチンまわりはゆとりを持たせて家族が手伝いやすい環境に
料理、食器洗い~洗った食器を片付ける…といった作業がしやすいのは、やはりゆとりのあるキッチン。
アイランド型ならぐるっと回れて、リビングダイニングとの行き来がスムーズになります。これなら家族も料理や片付けを手伝いやすくなり、家事シェアしやすくなります。
また、作った料理を並べやすくするためにカウンターキッチンにしたりダイニングテーブルを近くに置いたりするのがいいでしょう。小さなお子さんでも食器の上げ下げのお手伝いがしやすいので、小さなころから協力する姿勢が身に付きます。
■玄関から直行できるランドリースペースなら“脱ぎっぱなし”が片付く
「ただいま」と帰宅後に玄関ホールから直行できる洗面~ランドリースペースがあると、リビングにおける“服の脱ぎっぱなし”を防ぐことができます。
帰ってきたらそのまま洗面台へ直行し、手洗いうがいをして着替えをし、脱いだ服を洗濯カゴに入れてからリビングへ…という流れができるので、自然とリビングが散らからないのです。
このように生活に合わせた動線を確保すれば、意識しなくても自然と「家事シェア」が実現できます。
自然と家事シェアができる!片付けやすい「収納」を設ける
どこに何を収納していいか分からないとモノが散らかりやすくなります。
「服の脱ぎっぱなし」
「バッグをリビング床に直置き」
「いつまでも片付かないおもちゃ」
…など、考えただけでイライラ~。
このストレスは、各自がそれぞれ自分のものを片付けたり整理したりしやすい収納を設けることで解消します。
誰もが使いやすい収納を、わかりやすい場所に設けるのがおすすめです。
■玄関ホールにはゆとりのある収納スペースを!
家事シェアの家づくりにおすすめなのが、玄関ホールに設けられた収納スペース。脱いだコートやバッグを収納したり、子どもの外遊びで使うボールや砂場セットを置いておいたりと何かと大活躍します。
こちらも無理のない動線上に収納があるため、各個人で「使ったら元に戻す」が実行でき、リビングが無駄に散らからずに済みます。急な来客があっても、これなら安心です。
■各個人が使える専用ボックスがあると◎
自立心を育む家事シェアを実現するには「自分専用」の収納ボックスを設置するのもいいです。
「自分のことは自分で」という習慣が自然と身に付き、整理整頓が各自でしやすいでしょう。
玄関ホール収納やファミリークローゼットに設けて、各自できちんと片付けをしてもらえたらママも名もなき家事の負担が大幅に減ります。
小さなお子さんの場合は、子どもの手の届く場所に収納スペースを設けるように配慮しましょう。
家事負担を軽減する便利設備を取り入れよう
共働き家庭の家事負担を大幅に減らしてくれるのが便利な設備機器。
無理に自分たちで家事を完璧にこなそう…と思うとストレスが生じてしまいます。
時には便利な設備に頼って暮らすことも検討してはいかがでしょうか?
すべて取り入れなくても、苦手だな、面倒だなと思う箇所だけ取り入れてみると生活にゆとりができるかもしれません。
■洗濯の負担が大幅減!「衣類ガス乾燥機」
衣類ガス乾燥機は、従来の電気タイプに比べてとてもパワフル!乾燥時間もわずか3分の1程度で済むので、衣類を傷める心配もなく、光熱費も抑えられます。外出前に衣類を入れてスイッチをオンするだけ…という手軽さも魅力です。急な雨やお天気が安定しない梅雨時期なども活躍してくれます。
■食後の家族団らんが生まれる!「食器洗い乾燥機」
食後の面倒な家事と言えば「食器洗い」です。やりたくない家事№1ともいわれているだけあり、誰もがストレスに感じているでしょう。
そんな食器洗いも、食器洗い乾燥機があればスムーズ!
使ったお皿やコップを入れて洗浄剤を入れたらスイッチオンするだけ。
最近はシステムキッチンに取り入れる方も多く、もはや一家に一台はマストな存在になりました。
食後の時間にゆとりが生まれることで家族のコミュニケーションタイムも増えるでしょう。
ホームパーティーなど来客時にもとても便利です。
■汚れの蓄積が最小限で済む!?「自動洗浄機能付き設備」
近年、忙しい共働き家庭に人気なのが自動洗浄機能付きの設備です。
代表的なもので言えば、トイレ。
便座から立ち上がると自動で便器を洗浄してくれるため、使用後の汚れの蓄積を最小限に抑えることができます。
ほかにも浴槽のお掃除をボタン1つで行ってくれる「自動洗浄バス」もあります。入浴後の面倒な掃除の負担がなく、清潔に保てるなんてまさに夢のよう…。
商品によってはスマートスピーカーと連携し遠隔操作ができるものもあります。
また、自動洗浄を搭載したキッチンのレンジフードもおすすめです。ギトギト油汚れのレンジフードもスイッチ1つでスッキリ洗浄!
効率的に換気を行うためにはレンジフード内部の汚れも定期的に清掃する必要がありますから、自動洗浄機能でサポートしてもらえるとありがたいです。
このように自動洗浄付き設備は、定期的に手洗いする手間を省き、さらには洗う際に使われる水の量を抑えてくれるため、実はとてもエコ。
初期費用はかかるものの、名もなき家事の負担を減らせるので忙しいご家庭にとてもおすすめです。しかもスイッチ1つなら、家事に不慣れなパパや子どもでも操作が可能!
家事シェアをしやすくするという面でもおすすです。
家事シェアのできる家づくりでより快適な暮らしを!

いかがでしたか?
家事は分担制にしてしまうとどうしても割合に偏りが出てしまうもの。その原因は、そもそも家事はママの仕事で、それを割り振っているというイメージがあるからだと思います。
家事シェアの場合、あくまで家族間で“分け合う”というイメージがあるため、自然と誰もができることに取り組む姿勢になれるのです。
今回ご紹介したように家事シェアしやすい環境を家づくりの段階から取り入れれば、共働き家庭のワンオペ家事・育児の負担を減らせるだけでなく、家族それぞれの自立を促すことができます。
自然とコミュニケーションの場も生まれるので、絆も深まるでしょう。
これからの時代は、性別年齢関係なく、互いに協力し合う姿勢を持つことが大切です。
これが名もなき家事の負担を減らす近道かもしれません。
私たち無添加建築設計ではお家づくりの前に「暮らしインタビュー」を実施。
家族構成やライフスタイルに合った家づくりをするために、必要な収納量や部屋の大きさなど細部にわたってヒアリングしています。
各家庭によって家づくりのカタチは違うもの。
せっかく注文住宅を建てるのであれば、今よりもっと快適に暮らせる環境にすることが大切です。
より満足度の高い家づくりにするためにも普段の生活を振り返りながら、どんな家づくりにしたいのかぜひ家族全員で話し合ってみてください。
COLUMN
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