2022.2.01. TUE
自然素材リフォーム
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自然素材を推奨する理由
自然素材を使用するリフォームは、2000年代前半から多く行われる様になりました。
自然素材を使用するようになった背景には、合板フローリングやビニールクロスなどの新建材に含まれる化学物質により室内環境が汚染され、化学物質過敏症やシックハウス症候群、アトピー性皮膚炎喘息などの病が増えた事が起因として考えられます。
このような問題に対応するため、2003年にシックハウス対策法という制度が設けられました。
シックハウス対策法で制定された3つの項目
①ホルムアルデヒドを含む建材の使用制限
ホルムアルデヒドを含む建材の使用制限では、ホルムアルデヒドの飛散量に応じた等級を建材ごとに設定し、その建材の使用面積の上限を定めました。
等級は☆の数で表され、一番グレードの高いもの=一番ホルムアルデヒドの飛散量がすくないものはF☆☆☆☆(エフフォースター)と表記されます。
飛散量が少ないというだけで、もちろんゼロではありません。さらに、1平米あたりの飛散量の制限をしているので、家中の壁や床、天井など全てにF☆☆☆☆の建材が使用されると数百平米もの面積になり、相当量のホルムアルデヒドが室内に飛散することになります。
ちなみに、F☆☆☆☆の等級を認定された建材に使用制限はありません。無制限に使用できてしまいます。
②24時間換気の義務化
これは簡単に言うと、健康に悪影響を及ぼす恐れのある、化学物質を含んだ建材の使用を禁止するのではなく、「悪い空気は換気扇をつけて外に出しなさい」というものです。
③クロルピリホスの使用禁止
主にはシロアリの駆除剤に多用されていた化学物質なのですが、歴史を見るとただのイタチゴッコです。
1981年にディルドリン等の使用禁止、1986年にクロルデンの使用禁止、そして2003年にクロルピリホスの使用禁止。
いずれも使用禁止になるまでは、シロアリ駆除剤として最も使用されていた化学物質でした。
つまり、クロルピリホスが使用禁止になった現在は、他の「劇薬」とも言える化学物質が使用されているだけなのです。
自然素材ではない自然素材?
「国が定めた法律だから安心」と思われがちなシックハウス対策法ですが、実際は、シックハウス対策法が制定されたあと、2003年以降もシックハウスや化学物質過敏症に悩む人々は増え続けているのが現状です。
このような状況で、当然のように注目されたのが自然素材です。
しかし、まだあります。
自然素材ではない自然素材が世の中に存在しています。
例えば、ホームセンターなどでも見かけるようになった珪藻土。
価格の安い珪藻土には、施工を容易にするためアクリル系接着剤が含有されているものがあり、本来ある吸放湿能力がほとんど無いものがあります。
また、珪藻土を数パーセントしか含まない粗悪品も存在しています。
このように、「自然素材だろう」と思っているものでも、実は化学物質が含まれていたり、自然素材とは到底言えない商品も流通しています。
永く住むための自然素材
室内環境改善を考えた場合、自然素材はメリットも多いですが、デメリットも有ります。
しかし、デメリットがあると言っても、それに勝るメリットの方が大きく、使用することでより良い室内環境が得られる事は間違いありません。
自然素材を使用する場合、「新建材のクロスや合板よりも価格が高い」と、あきらめてしまう方も多いと思います。当然、価格は抑えられるに越したことはありません。
しかし、ちょっとだけ長い目で見てほしいのです。
新建材は耐久年数が短く、基本的に5年から10年で張替えが必要になる場合があります。
また、化学物質の揮発量を施工後100とすると、年々揮発する量は減り、10年も経つとほとんど出ていない状態になりますが、新規で貼り替えると100の状態から再スタートです。
ホッと安らぐ家で暮らす価値
人間は、生まれてから数年の間は非常に弱く害を受けやすい状態です。
また、人生80年と言われている現在、人生の折り返しを過ぎると年々免疫力も低下して行きます。
住宅は、身を休める場所であるべきなのに、家に帰ってくると寒くて暑い、化学物質だらけの空間に身を置き、休まるどころか病気にもなりかねないのでは、本来の住宅としての役割を果たしているとは言えません。
無添加建築設計では、厳選した素材のみを使用する自然素材リフォームと、寒い家を暖かく、暑い家を涼しく生まれ変わらせる断熱リフォームで、永く安心安全に住まえるリフォームをご提案しています。
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